僕がワークショプデザインを学ぶとき感銘を受けた、3冊の本
和泉ワークショップデザイン事務所 > 00.blog > 僕がワークショプデザインを学ぶとき感銘を受けた、3冊の本

BLOG

ワークショップに関するトレンドやお役立ち情報などを、分かりやすく発信します。

僕がワークショプデザインを学ぶとき感銘を受けた、3冊の本

2016/10/22

00.blog, 05.ワークショップ

 

今回は、僕がワークショプデザインを学ぶ中で感銘を受けた3冊の本をご紹介します。

 

まず最初に謝っておきたいのは、今からご紹介する本はタイトルに「ワークショプ」という言葉が入っておりません。なので「ワークショプについて学びたいから本買おうかな」と思ってアマゾンで検索しても、まず検索には引っかかりません。(実際に試したら案の定出てきませんでした…)

 

それどころか、3冊中2冊は場づくりに関連した書籍ではなく、そもそもまったく違うジャンルの本なんです・・・。

 

「お前プロなんだからちゃんとした本紹介しろよ!」とお怒りの声をもらいそうですが、まぁそう言わずに騙されたと思って最後まで記事を読んでみてください。

 

へぇ、この本をこんな視点で読むと、そういう新しい気づきが得られるかという、ちょっとした発見をご提供できると思います。

 

それではどうぞ。

 

a1180_009194_m

 

 

■「未来の学び」をデザインする―空間・活動・共同体(美馬のゆり・山内裕平)

 

新しい学びのスタイルとは?大学、ミュージアム、企業などで教育が変わりはじめている。キーワードは、空間、活動、共同体。その要諦とは何か?学校、NPO、企業など人材育成への重要な示唆に富む書。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

この本は2005年に出版された教育系の本で、要約すると「これからの学校や企業、社会などの様々な場面で必要とされる『未来の学び』をデザインしていくには、空間・活動・共同体という視点から『学習環境そのもの』を意図的にデザインしていく必要があるという趣旨で書かれています。

 

・・・僕はですね、正直この本を読み切ったとき感動したんです。

 

お恥ずかしい話、僕はワークショプを学び始めて4年目くらいまで、場づくりの専門書なんてろくに読まず、ただただ実践ばかりを繰り返していました。

 

当時は「専門書を読んだところで場づくりが上手くなるわけじゃない。それより実践し続けることが重要だ!専門書なんて読まなくても場づくりは上達する!」と本気で思っていました。(今考えると、極めて未熟な思考だったと反省しています)

 

ですがこの本と出会ったことで、僕はそれまで自分がやってきたことのさらに一段階上のステージを開いてもらった気分になり、本当の意味での場づくりの奥深さを垣間見た気がしました。

 

あまりに感動しすぎて、この本に関しては1冊まるまるノートに重要ポイントを書き写し、今でも大切に保管しています。(そちらに関しては今度「図解シリーズ」としてブログにUPするので少々お待ち下さい)

 

%e5%86%99%e7%9c%9f-2016-10-22-20-28-26

 

 

この本は学習環境デザイン論というワークショップの上位概念を背景に執筆されているので、「ワークショプがただのお遊戯会的な手法だと思っている人」「ワークショプの世界観を根っこから深く理解したいと思っている人」にはすごくオススメです。

 

 

 

 

■世界から猫が消えたなら(川村元気)

〈あらすじ〉

郵便配達員である主人公が、毎日1つ1つ何かを失っていくかわりに、毎日1つ1つ何かを得ていく物語。電話、映画、時計、猫、そして僕。その代償と引き換えに、彼が本当に手にしたものとは…

 

 

 

小説です。今年映画化されて話題になったので、多くの方がタイトルくらいは知っているかもしれません。

 

この小説では「もし世界から◯◯が消えたなら?」という問いと共に物語が進行していきますが、この「もし〜だったら?」という、いわゆる非日常的な状態について思考する「if系の問い」を使いこなすことが、ワークショプデザインにおいては非常に重要な役割を果たします。

 

ワークショプに参加したことがある方ならご存知かもしれませんが、基本的にワークショプの中で行われる活動というのは普段の生活ではあまり触れることのない非日常性を含んでいます。

 

たとえば「普段つくらないものを、普段使わない道具を使ってつくってみたり(exレゴブロックで未来の病院をつくってみる)」、「普段話さないテーマを、普段行かない場所で語ってみたり(ex森の中で、自分にとって居心地の良い場所とは?について対話する)」という感じです。

 

そういった非日常性をワークショプ内部に意図的に組み込む場合、企画者はもし〜だったら?という問いを事前に何パターンも思考しておかねばなりません。

 

 

「もし未来の病院を建てられるとしたら、自分はどんな病院を建てたいかな?」

「もし病院をレゴブロックでつくるとしたら、どんな風につくるかな?」

「もし参加者が悩むとしたら、どの段階で悩むかな?」

「もしつくる前に何かレクチャーするとしたら、どんな情報が良いかな?」

「もし最後にお互い発表しあうなら、どんな発表の仕方がいいかな?」

などなど。

 

 

こういった小説の切り口はワークショップの企画を考えるうえでも非常に参考になると思うので、ぜひ1度そういう視点で小説を眺めてみてはいかかでしょうか。

 

 

 

僕がこの本と出会ったときに書いたnoteがあるので、参考程度に貼っておきます。

ちなみに僕はこの本を読んで号泣するタイプの人間です。笑

note:『世界から猫が消えたなら』

 

 

 

■「あたりまえ」からはじめなさい(千田琢哉)

成功する人は僕らとどこが違うのだろうか?頭がいいのだろうか?特別なスキルやノウハウを身につけているのだろうか?そうではない。成功する人は「多くの人が見落としがちなあたりまえのこと」を誰よりもきちんとやっているだけなのだ。

きっと君はバカにするだろう。「あいさつをしましょう」「ありがとうと言いましょう」「時間を守りましょう」。ところが不思議なことに、大人のなるとほとんどの人はそれができていないのだ。

英語の勉強の前に、きちんとあいさつをしよう。ロジカルシンキングを学ぶ前に、口約束を守ろう。世界平和を熱く語る前に、今隣にいる人を笑わせよう。断言してもいい。あたりまえのことを、あたりまえにできるようになるだけで君は突出できるのだ。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

典型的な自己啓発本です。職場・人間関係・お金・勉強と情報・人生という5つのカテゴリーに著者が思うそれぞれ10個のあたりまえが記されています。それを口だけでなくしっかりと行動に移すことで誰でも成功者になれる!と提案している本です。

 

ハッキリ言って自己啓発本としての面白みは特にありませんが、ワークショップデザインの視点でこの本を眺め始めると世界が一変します。

 

ワークショップには「参加者の固定観念を揺さぶり、新しい視点やアイデアを生み出す」という目的がありますが、そのためにはまず企画者自身が「揺さぶりたい固定観念は何なのか?」を、事前に掴んでおく必要があります。

 

この本の中には、そんな揺さぶりたい「あたりまえ」とされている価値観が50も収録されているので、

 

 

「本当に挨拶しないといけないの?」

「そもそも挨拶って何でするの?」

「挨拶しなくても良い瞬間や関係性だってあるんじゃないの?」

「むしろ挨拶がないと壊れてしまうような貧弱な関係性の方をどうにかした方がいいんじゃないの?」

「挨拶すらする必要がないレベルの関係性ってどうやって築けばいいのかな?」

 

 

というような、まさに天の邪鬼的な視点(笑)でこの本に喧嘩を吹っかけてみると、ワークショップデザインの大変良い練習になると思います。

 

 

 

■「そもそもワークショップって何?」という方はこちら

ワークショップのイメージを図解化してみる

病院内で看護師対象の対話型ワークショップを開催しました

 

■「ワークショップにすこし興味がある」という方はこちら

【公開講座】医療者のためのワークショップデザイン講座 〈入門編〉(11月5日)参加者募集

 

■facebookページへのいいね!お願いします

MediCalogue〈メディカローグ〉という、「医療現場におけるコミュニケーションの研究」をコンセプトにしたウェブメディアをやっています。よろしければぜひ覗いてみてください。